名のない男(大藪春彦)書評レビュー:やり遂げる背中からエネルギーが貰える

 

大藪春彦の「名のない男」の感想。

泥臭く、格好悪い背中がどこかかっこよく見える。

なんだかんだでやり遂げる男

 

「野獣死すべし」で強烈な戦後文壇デビューを果たした大藪春彦の短編集。

しかしこの主人公「私」には大藪がこれまで描いてきた「ギラギラした個性」も「沸騰するような渇望」も「足を寄せ付けない野性」もない。

 

「私」は任務こそ暴力団に潜入しては内部からの壊滅を企図する「潜入捜査官」といかめしいが、本人はそれを「上司」以外の周囲にはあくまでも隠さねばならない上

一々「刑事部屋」に入るときでさえ、「刑事」としてではなく一介の新聞記者あるいはそこらのチンピラとして振る舞わなければならないというかなりの

「格好悪さ」を纏っている。

「私」をこき使うのが堪らないといった風情で次々と任務を与えてくるニコヤカながらサディスティックな「上司」に辟易しながらも、

一公務員として安月給のまま危地に身を委ね、ほぼ毎回生命の危機に瀕しては九死に一生を得、「いつもながら割に合わない仕事だ・・」と頭では理解しながら

愚痴こぼしつつ任務を遂行する「私」の他の大藪ヒーローとは全く違った「格好良さ」は強烈に印象に残る。

 

時には任務上のどさくさにまぎれて「暴力団」の上前をハネるなど「小遣い稼ぎ」を企む事もあるが、結局は上手く行かずに腐るというなんとも人間的な部分も

「あの大藪春彦がこういうヒーロー生み出すとは・・」と新鮮な驚きがあった。

 

「身分を隠して悪を討つ男」を主人公としたハードボイルドでありながら、こういう肩肘はらない「私」が醸し出してくれるどこかやさしげなでくだけた雰囲気は

実は大藪本人の資質に依るところが大きいのだという。

多くの大藪作品では主人公は常に「荒ぶり猛り吼えて」いる事が多いが、自身はあくまで温厚でのんびりした人物だという事で

執筆活動も軌道に乗り、そろそろそういった部分を作品に投影していいのかも・・と考えていたのかも知れない。

 

だからといって本来の大藪っぽさが薄いという訳ではなく、「私」が任務に際して持てる能力をフルに発揮し群がる敵を叩き潰す爽快感は他の作品にも決して劣らない。

愚痴を零しながらも敵と対峙す殲滅する「私」はあくまでも「大人としての格好良さ」満ちているからこそ何度読んでも色褪せることはなく

この「名のない男」は自分自身の中で常に「大藪作品の最高傑作」であり続けるのだ。

 

余談だがこの「名のない男」は後年、草刈正雄主演で映像化された。

原作同様「一見ソフトだが実は・・」なヒーロー像を見事に再現していた事を付記しておく。


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最後まで読んでいただきありがとうございました。


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