ゆっくり前へことばの玩具箱(ひきたよしあき)書評レビュー:元気がもらえる貴重な本

 

今日紹介する本は「ゆっくり前へ ことばの玩具箱」:(ひきたよしあき)。

落ち込んでいる時、うまくいかないとき、失敗したとき・・・

どんな時に読んでも、元気がもらえる不思議な本。

読むだけで、なんだか心のモヤモヤが晴れて心が落ち着く。

「ゆっくり前へ ことばの玩具箱」を読んで、言葉について考えてみる

 

「ゆっくり前へ ことばの玩具箱」は、大手制作会社で広告制作などに携わるクリエイティブプロデューサーひきたよしあきさんが記したコラム集です。

なるほどな、と思う話が数多く掲載されていて、豊富な読書経験と人生経験に裏打ちされた面白い話の数々は、多くの読者に支持されています。

ここでは、そんな中から、いくつかの話を取り上げ、その事について考えてみたいと思います。

 

I love youとは何か

 

著者は、この本の中で、愛という物について述べています。

夏目漱石は、I love youという英語の訳を聞かれて「今夜は月が綺麗ですね」と訳したという事例を紹介し、漱石の言語感覚を称賛しています。

そして、二葉亭四迷は、I love youという英語を「死んでもいいわ」と訳した事例も合わせて紹介し、愛という物の捉え方の違いを論じています。

 

愛をどのように捉えるかという事は難しい問題だと思います。

今夜は月が綺麗ですね、と話しかける場面を想像すると、直接的な愛情表現とは異なる日本人らしい奥ゆかしさを感じる事ができますし、死んでもいいわ、となると、あふれんばかりの愛の存在を感じる事ができます。

 

しかし、愛とはどのようなものか考えてみると、そこには様々な愛がある事が分かります。

愛を広い範囲で捉えてみれば、異性を好きになる愛の他にも、友人の自分に対する心遣いも友情の一形態としての好意であり、それは愛と言えるかもしれません。

その他にも、家族を大切に思う家族愛というものもありますね。

愛は、見ず知らずの他人に対しても向けられる事もあり、困っている人を助けたい、という思いや、募金活動を支援するといったような、特定の対象に向かうものではない、漠然とした愛というものも存在しています。

 

このように、困っている人を助けたい場合にもI love youは存在しています。

道で迷っている老人に対して、お困りですか?と声をかける事も、広義には、あなたの苦しみを取り除いてあげたい、という意味において、愛と捉える事もできます。

この愛は、特定の異性に対しての愛ではなく、先ほど紹介した、もっと大きな不特定多数への愛と言えるかもしれません。

愛が一人に集中していない分、広く薄い愛かもしれませんが、その分多くの人に届ける事ができる愛であり、人間の善良性の表れとして、優れたものなのではないか、と思います。

 

このように、愛をもっと広い意味で捉えた時、お困りですか?という言葉も、ある意味I love youと解釈する事もできるのではないでしょうか。

また、ありがとう、という言葉も、相手を嫌いな場合は口にしない言葉であり、相手に素直な好意を伝えるという意味において、愛のひとつでもあります。

このように、愛をもっと広い意味で捉えると、様々な所に愛がある事が分かります。

しかし、愛を伝える方法にも、漱石や二葉亭四迷の言葉のように、遠回りをした愛や、直接的な愛があり、ありがとう、というちょっとした感謝の気持ちのような小さな愛もあります。

このようにして、世の中にある様々な形の愛について、考えをめぐらせてみる事も、あるいは面白いかもしれません。

 

定点の旅と未知の旅

 

著者は、本書の中で、ある人から定点の旅と未知の旅をする事を薦められた、と語っています。

毎年、同じ所に行く定点の旅と、訪れた事のない所に行く未知の旅。

定点の旅は、毎年同じ所へ行き、同じ風景を眺めながら、今年は人通りが少ないな、とか、家やビルが新しく建っている、雪が降ってそこから見える景色が変わっている、といった部分を比較しているうちに、自分の原点に立ち返っていく旅だそうです。

 

確かに、毎年同じ景色を眺めると、どこか回顧的になる側面があり、それを眺めている自分の感情に変化があったり、同じ景色でも違うように見えたり、面白い部分があるように思います。

これは、その旅が毎年同じものであっても趣きがあるし、違うものであっても面白いと思います。

同じ景色なのに違うように見える時、それは、自分の成長を感じる事ができる瞬間かもしれませんし、価値観が変わった事を示しているのかもしれません。

 

毎年、田舎の古民家に宿泊して、そこから見える山あいの風景を楽しんでいたけれど、今年はその風景も単調に見える。

きっと、自分の中に、物事に挑戦する意欲やエネルギーが沸き起こり、自分の中の心が、大都会での生活に強いあこがれを抱いているのではないか、など、風景の捉え方の違いを様々に解釈する事ができ、自分の中に起こった変化が、物事の捉え方に表れる事もあります。

 

逆に、毎年、年末は家族を家に残して仲間とラスベガスに行き、カジノで遊ぶ事が恒例の定点の旅だったけれど、今年は家族と過ごす事の大切さに思い至り、定点の旅をやめて、家族で年越しそばを食べて過ごした、という場合もあります。

このような時は、自分だけ良ければいい、という考えが変容し、家に残される家族の事を考え、家族皆で過ごすひとときの大切さに思い至るようになった、という価値観の変遷があり、これなどは、定点の旅が役目を終え、新たな定点が定まった、と捉える事ができるのではないか、と思います。

 

未知の旅をする事も、新たな人々や文化、価値観に出会い、自分自身を見つめる絶好の機会となり、大切な要素ではあるのですが、ここでは、特に同じ場所を訪れる定点の旅という考え方が紹介されていて、個人的には今まで考えた事のない旅だったので、そのような旅も面白いのではないか、と思いました。

 

人間の内面の不思議

 

著者は、人間の感情を表面と内面に分け、そこには複雑な構造が存在している、と指摘しています。

そして、どのような時、その感情が表れるのかというと、以下のような場面を例示しています。

 

“長年連れ添った夫婦が、今別れの時を迎えている。玄関に立ち、出ていこうとする女が、「じゃあ、行くわね」と一言。「あぁ」と、いつもの生返事を返す男。ドアを開け出て行く瞬間に、泣き顔のような笑顔を浮かべた女が、少し明るい調子で、こう言った。「生ゴミ、出しておいたから」男は、わずかに間をおき、「あぁ」とまた、応えた。”(P.171より引用)

 

著者は、この場面を表面だけでは語りつくせない、人の内面にせまった複雑な場面だ、と説明しています。

「生ゴミ、出しておいたから」という言葉が、二人の生活に終止符を打ったようにも見えますし、これからはちゃんとするのよ、という励ましにも聞こえる、と説明。

または、やっぱり俺の側にいてくれ、という声を待っているようにも聞こえる、と様々な解釈を展開します。

確かに、ひとつの文章に色々な解釈が出来て面白く、読み手の判断にゆだねられる部分があるのですが、皆さんはどのように考えたでしょうか。

 

個人的には、女の人は、心のどこかで男の人に引き止めてほしかったのではないか、と思いました。

泣き顔のような笑顔を浮かべた女、という場面から、別れが悲しいけれど無理をして笑顔を作ったように思えますし、いつもの返事をする男と、いつも行っている行為であるゴミ出しという夫婦のやりとりが繰り広げられる事から、いつもの関係に思いを寄せ、どこかでそれが続く事を望んでいるのではないか、という印象を受けました。

もちろん、別れという悲哀に満たされた場面において、いつものやりとりしか出来なかった、という捉え方も出来ますが、別れというものは基本的に悲しい物であり、最後の最後まで避けたいと思うのが人情ではないでしょうか。

 

このように、何気ない文章について、様々な解釈を行い、皆で意見を出し合って議論をすると、面白いのではないかと思いました。

 

まとめ

 

この本を読んでいると、言葉というものが持つ魅力や不思議さに思い至る事がたくさんあります。

様々な出来事について考察が繰り広げられていて、流氷のオンザロックは、水深の深い所の青くなった氷が上手い、といった話など、知識として面白いエピソードも多数紹介されています。

その他にも、面白い話がたくさんあるので、気になった方は、ぜひ手に取ってみてください。


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最後まで読んでいただきありがとうございました。


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