コールドゲームを読んで、高校生の複雑さを知る。

1. コールドゲームのあらすじ

 

甲子園に出場する事のできなかった夏。

今後の進路に悩む主人公光成の周囲で、自身の中学時代のクラスメートが襲われていくようになります。

その犯人を中学時代にいじめにあっていたトロ吉と判断した光成は、トロ吉を説得し、友人を守るために動き出します。

しかし、トロ吉の居場所はなかなか見つからず、徐々にエスカレートしていき、死者まで出てしまう始末。

復讐にあう人を調べていくと、順番に法則性があることがわかり、他のメンバーと連携しながら、トロ吉を探しだしていくが・・・

 

中学時代にやってしまった同級生へのイジメをきっかけにして、不可解な襲撃等に振り回されてしまう高校生達の物語。

次々と忍び寄ってくる、まるでストーカーのような執拗さと狡猾さと復讐ともいえる報復の不気味さに翻弄られる反面、お酒やタバコ、クスリなどでかっこつけているようで実際は、かっこ悪いながらも、必死に前向きに生きていこうとする将来の不安を垣間見るミステリーといったところです。

しかしながら、親世代からすると自分の息子や娘が仮にイジメに遭遇してしまって自身の命を落としてしまう時、トロ吉の両親が行ったようなような狂った行動をしないと言える保証はありません。

多分加害者を探しだして、殺すと思います。

 

家族が傷付けば、相手に対してそれ相応の対処が必要とも言えるのではないか。目には目を歯には歯をという格言が身に染みる。

 

光成はイジメている相手に対して『やめろよ』の一言を伝える事が出来なかった為に、後悔し続けているが、

4年を経過してようやくそれに気付く光也の成長が良かったと思う反面、誰しもが自分の行動や言動に責任を持って、世界からイジメという行為がなくなる事を願わずにはいられないです。

そして、程度の差はあれども、ここ数十年の日本の義務教育を受けた人間であれば、「いじめ」に関わったことのない人などいないのではないか。

 

いじめの首謀者だった不良少年、彼に恐くてしたがったほかの少年少女達。

またいじめに加担する訳でもなく、いじめに参加する訳でもなく傍観者。

いじめを告発した優等生。面白がって見ていた少女達。

ミステリーとしてオチにはあっと驚きましたし、上手な小説だったのですが、クライマックスとそれに続く結末が、本当に悲しくて、切なかったです。

 

でも、主人公・光也の、成長ストーリーとしては爽やかで、とてもよかった事が救い。ずっと、トロ吉に謝ろう、と思って動いていた光也ですが、最後には「勝手に人に頼るな。自分を救えるのは自分だけだ」と、思うようになります。「いじめはいけませんよ」みたいな単純で説教臭いメッセージで、終わらなかった為、敢えていえばホッとしたと思います。

 

2. 悪ガキたちの無神経さが妙に印象に残る

 

物語はイジメを行った側(加害者)の視点で進んでいきますが、とにかく悪ガキたちの身勝手というか無神経さばかりが印象に残っています。

イジメられた者による復讐に対して、「北中防衛隊」を結成し返り討ちをすべくバットなどを武器として携え自身や仲間を守るとは身勝手すぎると思います。

「北中防衛隊」を結成するのは、自分たちがトロ吉をイジメたからであり、イジメることがなければ、結成する必要はないのだ。

 

しかしながらそれなら物語が成立しないのです。

自分たちが先に相手に攻撃しておいて、今度は相手から攻撃されたら、自分たちは正当防衛で是が非でも迎え撃つという思考は、どんだけ頭を整理しても、やはり気分を害するのである。

やられたからやるのであって、何もされていないからされるわけではないのだが、それを理解できない高校生も問題があるのではないか。

なのに、にも関わらず、犯人の異常性と、それに立ち向かおうとする「北中防衛隊」にクローズアップした内容には違和感を感じざるを得ない。

 

犯人の異常性は、自身がされたことへの報復というか復讐になるので、私からすれば、違和感を何も感じない。

殴られたら、殴ってしまって終わりではないのは自身の経験があるわけではないが、されたことに対してそれ以上をしない限り気分がモヤモヤするのだ。

しかし、彼らを打ちのめす爽快な結末はなく、彼らの反省もあまりなく、なぜか中学生の多感な青春の一幕的な雰囲気で終わっていることに違和感が残りました。

たしかに復讐とはいえ、殺人を犯せば行き過ぎであることは言うまでもないが、苛められ自殺を考えたほどの者なら、こういう復讐を想像くらいはかたくはないだろう。

イジメられてきたた者の心に溜まった憤りや怒りは、いつ、どこで、どのようにして解放すればいいのか。イジメた側はイジメた時点で終わりだが、イジメられた側に、終わりがない。

仮に終わりがあるのであれば、イジメた人間を自分の思うとおりに復讐できた時点といえるのではないか。物語としてイジメの犯罪性と、復讐の犯罪性を考えさせるのが狙いなら、非常に良くできた作品だと思う。

 

さて、物語の最後に、皆でトロ吉の墓参りに行き、トロ吉が乗っていた125ccのバイクが走り去るのだが、これが何を意味するのか分からなかった。

恐らく俺のことを忘れるなら、またやってくるぞ!とかこれ以上俺のような被害者を出すなよ!という警告なのか・・・

この物語を読んで印象に残った理由は、とりわけ、いじめをしている者の観点を私が理解したことだと思います

 

3. コールドゲームのおすすめ点数

 

100点中、50点とします。

終始、イジメた側の視点から描かれていることに違和感を感じています。

 

しかし、ラストに向かって、だんだんとトロ吉の過去の気持と思い、そこから発生している現在の立ち振る舞いや現状、トロ吉復讐劇の真相が分かってきます。

荻原氏の作品もあってか、ちょっとしたどんでん返しもありますが、これは想定の範囲内でのどんでん返しでした。

 

ただ、この作品はどんでん返しを楽しむものでもなく、オチに期待するものでもなく、

実社会で行われているであろういじめという現象の中にいた自身ならどう対処すればよいのか?など

 

少年少女達のの心の闇というか隙間みたいなものを冷静に見ていかなくてはならないと考えています。

しかしながら、やはりやりきれないと思いますね。

 

世の中には様々なずれがあるかと思います

自分と他人の違い、いじめた人といじめられた人の違い、ものごとの考え方のずれ。

こちらにはそんな意図はないのに、相手が悪く感じて傷つていたり。逆に褒めてもないのに、調子づかせてしまったり。

ちょっとおもしろおかしくいじってしまった事で、心の底から恥をかかせてしまったり、不快な気持ちにさせてしまったり。

 

そのいじりをいじめととらえるのも現代っ子ではありますし、それを生徒間で対処せずに親に伝えその親が学校に連絡して。

なんだか紙一重なのかもしれませんね。

結局は相手の感じ方なのでしょう。相手が嫌ならばやってはならない。相手が良いならやってもよい。ただ、いつどこでどのように、どれくらいの回数なども考慮する必要があるのであろう。本当に難しく難しく思います。

 

もちろんいじめられた経験というのは、いじめられた人の中で一生忘れられない経験になり、経験から得たまったく癒えません。

癒えるためには、された相手にそれ以上のことをしてやらないといけないという気持ちが報復そして復讐につながったりするのだろうと思います

気分が落ちている人にはおすすめしません。


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最後まで読んでいただきありがとうございました。


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